新坊守は、8月末から連続して、週末に東京の宗門系の大学で浄土真宗の専門的な研修を受けに行っています。お勤めの作法や着付け方、ご法話の方法について、みっちり鍛えていただいているそうです。
さて、先週新坊守は築地本願寺で研修の一日を過ごしたそうです。
8月最後の日でしたので、築地本願寺の8月分の華葩カード(参拝記念カード)をもらってきてくれました。
お寺にお参りの方の分も多めにいただいています。焼香机の横または本堂の庫裡側出入口においておりますので、どうぞご自由にお取り下さい。
今月の言葉は「快楽安穏」(『仏説無量寿経』の『讃仏偈』より)
カードの裏側には、、
「自分だけが正しい、相手が間違っている、そんな考え方に執われてしまうと、相手との対立が生まれてしまうものです。仏さまは、正しさや間違いへの執われを離れたものごとのありままのすがたを示し、対立のない穏やかで心地よい世界へ導き入れようとはたらきかけてくださいます。親鸞聖人は、その仏さまのおはたらきがひろまり、世界が穏やかになるように、と願われました。」
そういえば、前住職も、「安穏」という言葉を大切にしていて、何年も前にそれを話していたことを思い出しました。新住職はそのときは同じ経典のなかの別の言葉に惹かれていて、「ふ~~~~~ん」という薄い反応を示した程度でしたが、それが縁となり、じわりじわりこの言葉の尊さを感じられるようになって来ました。
この言葉が書かれているお経は「讃仏偈」。
よくお勤めさせていただく10~15分程度のお勤めですが、実は『仏説無量寿経』の一部です。
「快楽安穏」をお経をおつとめするときは「けぃらくあんのん♪」というふうに読みますね。
現代の一般的な読みだと「かいらく」と「あんのん」という漢字2文字ずつに分解して読みがちかも。そうなると、なんだか「わたしたちがラクチンでノホホンとした自分たちの日々を願う」ようにも捉えてしまいますが…、逆ですね。仏教の基本は、脱自己中心性。仏さまが「けらく・あんのん」な世界へ私たちを導きたい、導こうとされている願いであり誓いであることに気づかさせていただき、感謝のうちにこの言葉を大切にしたいと感じたご縁のカードでした。
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