この春に暁雲寺の住職が登記上の代替わりをして半年。
新住職のわたしも、少しずつ実感が湧いてきたところ…なのかな。
さて、次の写真は、いつもの会館のお内仏の間の床の間ですが、いつもと書が違いますね。
これまた数年前に代替わりしたばかりの、ご本山本願寺の専如ご門主さまが、暁雲寺前住職退任にあたり、お書きくださったものです。
先日、ご縁のある表具店さんにお願いして表装していただきました。
掛かっている言葉は、「普照無際土」。
これは、よくお勤めしているお経の「重誓偈」の一節です。
この偈文は、阿弥陀さまが仏さまとなられるにあたり、改めて願いと誓いを重ねられた大切な部分です。
意味は、前後の文脈も含めると「(仏となってすべてのいのちを救うに当たり、その救いは、)あまねく、際(果て)なく世界を照らし、(すべてのいのちの悩みや苦しみに向き合い、救いたい)」ということになります。
すべてのいのち、この「わたし」も。
「ひとりじゃないから。わたしが、きみを守るから。」
ある有名な歌の歌詞ですが、私は阿弥陀さまの救いは、この呼び声のように味わえて仕方ないと思っています。
自分本位な生き方をしてしまう、このわたしには、なかなか「あなた」、ましてや「すべてのいのち」を守ることも、そばに居ることもできません。自分のことで精一杯な生き方しかできません。わたしを基準に考えると、どんな言葉も虚しい響きになってしまいます。
しかし、もともとすべてのいのちの親としてご苦労を重ねられた阿弥陀さまのお心として受け止めたとき、とてもぬくもりのある響きとして広がっていく気がいたします。
「どんなときも、ひとりではない。」
お参りの際は、若い御門主さまのお書きになった「普照無際土」をご縁に、阿弥陀さまの願いの暖かさをぜひお感じいただければと思います。
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